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2006/09/11 (Mon) 『ART-SCHOOL/Missing』('06)

Missing(初回限定盤)(DVD付) Missing(初回限定盤)(DVD付)
ART-SCHOOL (2006/09/06)
ポニーキャニオン
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『Missing』、やっとこさ本日(10日)届いた。どうやら一度品切れ状態になったらしいとは言え、Amazon遅すぎるわー。それでも発売日の数日前には予約しといたんだけどな…。ここ半年くらいで、それまでにも増してアートスクールに強く魅かれる様になったワタクシとしては、ホントここ数日、ヤキモキ状態だったよ…。
それにしても、以前から思っていたんだけど、円い煙で顔の隠れたジャケットは『POINT』の頃のコーネリアスみたいですな。でもとても良いジャケットだと思う。

1曲目、“Missing”。ざわめきの音から、ジャーン。…ホント、この始まり方は滅茶苦茶格好良い。以前、この曲のビデオクリップについて記した時もちょっとだけ触れたけど、メロディーも声もアレンジも演奏も、それを含めた一切が、確実に新しい段階に進んでいる。サビの鍵盤の響きがとても美しくて切ないです。

2曲目“それは愛じゃない”。間奏のギターソロと、パッパンッと鳴らされるハンドクラッピングのイノセントな響きに何だか泣きそうになる。あと、Aメロ(…「ヴァース」とかって言うべきかしらん)のメロディーが思いっきり“FIONA APPLE GIRL”で笑える…ははは。
でも単なる妄想だけども、“FIONA APPLE GIRL”でアートスクールの歴史は始まった訳で(…それ以前にも木下ソロはあるし、デモもあるだろうけど)、その曲と同じメロディーを、柔らかく優しい光に満ちたこの曲に持ってきたって事に、何か新しい始まりへの意思をとても感じてしまったりする。

アートスクールのテーマの主軸は、過剰に露悪的になったり表現的な変化は多少あれど、よく言われる様に基本はずっと「イノセンスとその消失」だったと思う。今回の新曲2曲でも、そのテーマは一貫しているのだけど、そんなテーマの響き方がこれまでとは何だかとても違っている。
例えば、“それは愛じゃない”では、その失われた場所からイノセントな季節を見つめる視線が、これまでにない程の慈愛的な優しさに満ちている。

“永遠に 届きはしなかった/そんな事 思い出していた”(“それは愛じゃない”)

そして“Missing”では、これまでの失われてしまう事に対して、その悲しみを暴力的に爆発させる事で抗っていた様だったのが、また時に投げやりに捨鉢に受け入れていた様だったのが、この曲では投げやりでも捨鉢でもなく、何処かで優しく受け入れている様な気がする。

“君は何も 変ってはいないさ/僕は何も 変ってはいないさ/でもフィルムが変わる様にいつか/あの微笑みも その唇も きっと きっと”(“Missing”)

誰が悪い訳でも何が悪い訳でもなく、この季節が終わりを迎える事はとても自然な事なんだよ、みたいなさ。こう言ってしまうと言い過ぎかもしれないけど、何処か穏やかな諦めの様なものが感じられる。
これまで僕は、どうしても、アートスクールと言うか木下氏の表現に、自ら作り出した悲しみの世界に浸ってしまっている様な、ある種のナルシシズムみたいなものを感じずにはおられなかったのだけども(…勿論、それも含めて好きな訳で、一切全く否定的な意味はありません)、この2曲にはそういった感覚が全くない。等身大の悲しみと言うかさ。この2曲にある優しさは、本当の悲しみだけが持つ事のできる優しさだという気がするし、それだけに聴いていてとても切なくなるんです…。

そして、『Scarlet』と『LOST IN THE AIR』の曲群。

個人的には両方とも購入してあったので、全曲ガッツリ収録されるって知った時は、正直ちょっと「何だよー、わざわざ買ったのに…」と心狭く思ったりもした…。でもそこは、まあ、オリジナル盤の所有者の事も多少は考えられてるって言うか、元々の音とは印象が結構違っている。一番顕著なのは『Scarlet』の曲間の印象的なモワワ~って音がなくなっている事。
『Scarlet』の収録曲は、一つ一つのパートの音を全体的に太くしている感じ。オリジナル盤の線が細い音は、それはそれでかなり味があるんだけど。特に、“クロエ”に関しては音の印象が全然違う。音の中域がかなり強くなっている感じ。…それにしても、ちょっと右のギターの音が太過ぎる様な…。でもこれくらいの変化を持たせてくれると、オリジナル盤を持ってる者としては嬉しい。
『LOST IN THE AIR』収録曲の方は、聴き比べれば違う事は違うんだけど、あんまりオリジナル盤と大差はない感じ。明らかに違うのは“Perfect”の最初のピアノが始まるタイミングくらいかしら。

『Scarlet』と『LOST IN THE AIR』という二つの作品にある、一切の虚飾を剥ぎ取った様なセキララな、木下氏が言うところの「グロい」感じは、それまでの文学や映画などからの引用を効果的に用いる方法とは違った、木下氏のソングライターとしての新しい始まりだったと言える訳で(…僕も最初はかなり距離感があったなあ…。今は大好きだけど)。言ってみれば、そんな原石の様な曲群と、『PARADISE LOST』、『フリージア』を通過して辿り着いた現在点の2曲。それらを一緒くたに収録する事は、正直、ミスマッチでもあるけど、それは例えば、原石とそれを磨いてできた宝石(…勿論、原石の時点で素晴らしい訳だけど)、という見方もできなくはないと思うし、また、どちらもアートスクールの新しい段階への移行期の作品と捉えられるし。
そう考えると、この奇妙な構成のアルバムもアートスクールというバンドにとって意義深い作品なんだと思う。

初回限定盤のDVD。“フリージア”のクリップはところどころ見た事があるのだけど、全編を通して見たのは初めて。すごく良いクリップですね。とても切なくて…。路上に寝そべっているというだけで、ちょっとレディオヘッドの“JUST”のクリップを思い出したりもしたけど。
絵に描いた天使がふわ~っ浮かび上がって、息絶えようとしている木下氏扮する浮浪者に、優しく光を散らす場面は泣けます…。
あと、今年5月27日のライブ映像。個人的に自分が参加したライブが映像になるのは嬉しい。改めてこうやって映像で見ると、本当に全てを燃焼させる様な勢いがあるライブだな…。特に“Black Sunshine”間奏の、木下氏と戸高氏が向い合ってギターカッティングを重ねるところが妙に好きです。
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音盤雑記(邦)2000- | trackback(0) | comment(0) | 00:41 |


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