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2006/03/21 (Tue) 『矢野顕子/はじめてのやのあきこ』

はじめてのやのあきこ はじめてのやのあきこ
矢野顕子、槇原敬之 他 (2006/03/08)
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
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記念すべき矢野顕子さんの三十周年記念盤『はじめてのやのあきこ』について、一曲ずつ思った事なんぞを記しておきたいと思いますです。「記念すべき記念盤」という言い方も「記念」が重なっていて妙ではあるものの、それほど記念すべき記念という事で。

1.自転車でおいで(槇原敬之)
もともとは、佐野元春氏とのデュエットだったこの曲。
…うん、勿論素晴らしい。でもマッキーとの共演という事で、以前マッキーがアレンジをした“クリームシチュー”の様な化学反応を期待してしまって、ちょっとこちらの期待が大きすぎたところはあるかな…。マッキーが歌うという事の必然性があんまり感じられなかったんだな…。
でもでも、繰り返しますが、素晴らしい事は間違いありません。

2.中央線(小田和正)
矢野さんバージョンも、勿論THE BOOMの原曲も、日本音楽史に絶対に残る、絶対に残らなければいけない超名曲。日本語で作られた完璧な、過言ではなく本当に完璧な一曲“中央線”。
以前、テレビ番組で小田和正氏がこの曲をカバーしていたのを聴いた時も思ったのだけども、この曲、小田氏には合わないと思う…。小田氏はこの曲を非常に好んでいるみたいだけど…。小田和正氏の音楽は嫌いではないし、本当に良い声だとも思う。しかし、…小田氏の声ではないのだ、この曲は。
歌が流麗過ぎるせいか、この曲の切なく胸を締め付ける様な優しさが半減してしまっている…。間奏のピアノのあまりの優しさにやっぱり泣いてしまうんだけど…、ははは(泣)。

3.PRESTO(Solo)
こんな素晴らしい曲を生み出して下さった事に感謝するばかり…。悲しみや絶望といった負の感情をしっかりと抱えたままで、強い視線で前を見据えるような意志を感じるピアノ。こんな気持ちにさせてくれるのは矢野さんの音楽だけです…。

4.ごはんができたよ(YUKI)
言わずと知れた超名曲。矢野さんが楽しそうに演奏していて良いですな。…でもYUKI氏の歌い方の過剰さが気になってしまう…。全ての人の上に同じ様に夜が訪れるという、この曲のあまりに素晴らしい荘厳なシーンはYUKI氏の声では描ききれないと思った…。でも本当に楽しそうで良いと思います。

5.架空の星座(井上陽水)
新曲、そして新たなる名曲。矢野さんと陽水氏の声の相性も本当に良いと思う。6曲目の忌野氏とのデュエットもそうだけど、古くからお互いを知る者にしかできない表現の深みを感じます…。
矢野さんによる切ない旋律は勿論、タイトルを含め陽水氏による歌詞も本当に素晴らしい…。
“夏の空 冬の夜 架空の星座 永遠の夢 あとは あなたと 出会ったら あなたと 出会ったら”
何か、矢野さんと陽水氏が電話をしている時に曲を作ろうという話になって、電話を切って少しの後すぐに矢野さんのもとに歌詞がFAXで送られてきたという話だけど…。いかにも陽水氏らしさを感じる素っ頓狂な良いエピソードだけども、陽水氏はその場ですぐにこの詩を書いたのかしら…。だとしたら、スゴい…、ホント。

6.ひとつだけ(忌野清志郎)
オフィシャルサイトのこのアルバムのページにある、忌野氏のコメントが本当に良いんです…。(オフィシャルサイト
お互いがお互いの音楽性さらには人間性をちゃんと理解し合っている上に、その音楽性を咀嚼し批評的に解釈できている、そんな人同士でなければできない素晴らしい共演。「これほどの共演は他にはない」と言っても過言ではないほどの、最高の共演。はー、あまりに不純なものが一切なくて、美しくて、思わずため息と涙が同時に出てきちゃう…。“君の心の「黒い」扉”って…(原曲では“あなたの心の白い扉”)、ははは(感涙)。

7.そこのアイロンに告ぐ(上原ひろみ)
上原氏がこの曲を選曲して、ピアノ2台用の編曲もしたとの事。
両者のピアノの技術の凄さに非常に驚きつつも…、…何て言うか、矢野さんのピアノが様々な感情や感覚を包含した「空気」を発生させるものだとして、その「空気」の根底には勿論、トンでもなく凄まじい「技術」がある訳なのだけど、その関係は常に「空気>技術」であって、「技術」が「空気」を超える事は矢野さんの音楽においては全くないと思うんです。
でもこの曲においてはちょっと「技術>空気」なっている気がする。いや、それはそれで面白いのだけど、矢野さんの音楽に感じる「面白さ」とは違ったアクロバティックな技術(多分、特に上原氏よるもの)の面白さであって、そんな技術を楽しむ曲だな、と思った訳です。

単純に作品として捉えた時に、ダントツで素晴らしいのは3曲目、5曲目、6曲目。
この3曲はホント、涙なくしては聴けません…。
それにしても長文になってしまった…。
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音盤雑記(邦)2000- | trackback(0) | comment(8) | 15:58 |


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comment











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ども。



実はこのアルバムを買いあぐねているわたくし。

コラボってる方々があんまりピンとこないんす。

特に小田和正氏とYUKIが障害になってる気がする。

なんとなくそのお二方が矢野氏の曲を歌ってるのは

想像できるんだけど、既に頭の中でしっくりきてないのですよ。



でも、hachimokuさんのレビューみて、3,5,6曲目は聴いてみたいしなぁ。

でも小田氏は得意じゃないしなぁ、、ブツブツ、、、。

2006/03/23 00:56 | deeptone [ 編集 ]


 

deeptoneさんの仰るとおりで、その二人が障害です…、ハハハ…。

矢野ファンとしてはコラボ作品であれ、その作品を悪く言う事は本当にしたくないのですが、その二人とのコラボは原曲を遥かに下回ります…。御二人によって超名曲を食いつぶされている感じです。



だども、だども、3,5,6曲目は本当に素晴らしいですよ~。

忌野氏との“ひとつだけ”だけでも2625円出す価値があるくらいですよ、ホントに。

忌野氏はこの曲(さらには矢野さん)に対する魂レベルでの深い理解があるように思われます…。“ひとつだけ”という曲の本質を強めている様な、完璧なコラボレーションだと思います…。



だから、是非是非どうぞ。deeptoneさんのご感想も、聞いてみたいな~。

2006/03/24 00:18 | hachimoku [ 編集 ]


 

初めまして。

検索でこちらに辿り着きました。

いろんな方のレビューを読ませていただいて 素通りというか読み逃げばかりしていたんですけど(笑)

hachimokuさんのレビューを読ませていただいて 思わず足が止まりました。

人それぞれ いろんな感じ方があると思いますが 私の意見とほとんどかぶっています。

マッキーとはあの曲でなくても 他にぴったりな曲があると思うし、YUKIちゃんはソロで歌うならばバッチリだと思うんですけど、一緒に歌うとあっこちゃんのいいところをジャマしちゃってるような気がしました。

中央線の切ない感が半減しちゃってるのは ある意味しょうがないかもしれませんね。

だって、あっこちゃんは内心ルンルン気分で歌ってますから(笑)

このアルバムの意味というか良さは『ひとつだけ』に集約されているような気がします。

長々とすみません。

ご迷惑でしたら削除して下さいね。

2006/03/27 17:07 | しず [ 編集 ]


 

しずさん。はじめまして。

コメント下さり、ありがとうございます。



いや~、嬉しいです…(感涙)。こんな世界の隅で蠢くミジンコの如き与太話に反応して頂けるなんて…。

本当に、コラボレーションって、その人とその曲を演奏する事の必然性と言うか、その人と演る事の意義をどうしても求めてしまうんですよね。



そういう気持ちからしても、忌野氏との“ひとつだけ”は完璧ですよね…。



ふと思い浮かんだだけの事ですが、マッキーとの共演だったら“HOME SWEET HOME”あたりとか良さそうかも…。…な~んて、絵空事はやめまする、ははは。

あと久しぶりに宮沢和史氏との共演も入れて欲しかったな…。奥田民生氏とかも…。だけど、それでは少し新鮮さに欠けちゃいますね…。

そんな事を思っていたら、何となく久しぶりに『Live Beautiful Songs』のCDが聴きたくなりましたー。聴く度に行かなかった事を後悔しちゃうんですけどね…。

2006/03/28 19:15 | hachimoku [ 編集 ]


 

こんばんは。

こちらこそ 同意見の方がいらっしゃって、本当に嬉しかったですよ。

マッキーとの共演ですが「HOME SWEET HOME」バッチリですね☆

「愛がたりない」「また会おね」「ただいま」そして YUKIちゃんと歌っている「ごはんができたよ」なんかも合いそうな気がしませんか?

・・・というより、歌って欲しい!!! 私の願望です(笑)

民生さんとの共演もいいですね~。

他の記事もいくつか読ませて頂いたんですが、私も大ファンとか言いながら、『誰がために』は持っていません。

「街 ~記憶」「Winding Road」を試聴して 鳥肌が立ちました。

まだ聴いてないってことは 人生を半分損してるかもしれませんね(笑)

早くゲットしなきゃ~http://parts.blog.livedoor.jp/img/emoji/ic_cute.gif">

2006/03/29 02:10 | しず [ 編集 ]


 

YMOですが 『増殖』がお好きっていうことは スネークマンショーもお好きですね?

私ももちろん、大大大好きです(笑)

YMOに関しては どのアルバムがいいかと聞かれても 順位をつけられないですねぇ・・・。

どれもこれも みんな好きです。

『BGM』を初めて聴いた時には すごくショックを受けました。

こんなのYMOじゃない!!とさえ思いました(笑)

でも、今となっては 一番YMOらしいんじゃないかと思います。

最初に聴いた頃よりも 年月を経た現在の方が どんどん惹かれて 好きになっています。

これはそんなアルバムです。

いっぱい書いちゃって すみません。

2006/03/29 02:27 | しず [ 編集 ]


 

ええ、スネークマンショー好きっす。…と言っても、スネークマンショー単体の作品は持ってないんす。欲しい欲しいとは、ずーっと思ってるんですけどねー。

二番煎じと評判がイマイチな『サービス』のS.E.Tも割と嫌いじゃなかったりするんですが…。スネークマンショーの、ギャグの背後に妙にシリアスなものを見出してしまう、あの感じは別格ですからね~。

でも『サービス』、非常に良い作品ですよね。“以心電信”も“PERSPECTIVE”も入ってるし。



あと、以前ブログにもちょっと書いたのですが『UC YMO』に収録されている『増殖』の曲群は、リマスタリングでダメになっている気がするんです…。特にユキヒロ氏の軽やかでツボを全く外さない正確なドラムの軽やかさが失われて、硬く重くなっていて、それは『増殖』の音じゃないという感じです…。『UCYMO』は全体的に音が変わり過ぎですよね…。

すんません、語っちゃいました…。

2006/03/29 21:31 | hachimoku [ 編集 ]


 

あと確かに、マッキーとの共演だったら、しずさんが挙げられた様な曲が良い感じですねー。“ごはんができたよ”はマッキー自身もカバーしてますよね。何て言うか、もっと明るい曲、って言うと阿呆みたいですけど、もうちょっとウキウキ感のある曲、って言うのも阿呆みたいですが、そんな曲がマッキーとの共演だったら良かったのではなかったかしらん。



僕もいまだに『誰がために』のサントラ、買えておりません…、つい後手後手になっちゃって。本当に滅茶苦茶聴きたいんですけどね~、つい後回しに。人生6割くらい損してるかもしれません、ははは。

2006/03/29 21:45 | hachimoku [ 編集 ]


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