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2007/07/25 (Wed) 『Coaltar of the Deepers/Yukari Telepath』('07)

YUKARI TELEPATH YUKARI TELEPATH
コールタール・オブ・ザ・ディーパーズ (2007/07/04)
ミュージックマイン・アイディー
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ディーパーズ、5年ぶりのアルバム。

ワタクシ的にかつてのディーパーズ熱もうっすら冷めていた今日この頃だったのだけど(先にリリースされた『TORTOISE e.p』も未聴だし)、先日“Evil Line”をビデオクリップで耳にした瞬間、ボワッと火がついて、すぐさまネット注文。
何かこの作品、Amazonのレビューとかを見ると結構賛否両論らしい。…まあ、それは分からないでもない。ディーパーズ特有の珠玉のコード感&メロディが希薄で、これまでの作品と比べて引っ掛かりも少ないっちゃ少ないし。
一発で胸倉を掴まれる様なディーパーズ節が冴えまくっているのは、“Evil Line”以外では“Lemurian Seed”くらいかなー。因みにこの曲での、変拍子に珠玉の切ないメロを違和感なく乗っける手腕には改めてホトホト感服させられます。

そういうディーパーズ節が少なめな点では確かに物足りなさもあるっちゃあるけど、この作品、雰囲気がとても良い(笑)。近作では薄めになっていた終末的感覚とか、内的宇宙に深く潜る様なインナー的感覚を(全部とは言わないまでも)非常に強く感じます。雰囲気的には『SUBMERGE』に一番近いと思う。雰囲気がアニメっぽいし(笑)。特に11曲目“Yukari Telepath”から13曲目“Evil Line”までの流れとか好き。
このアルバム、確かに即効性は薄いけど、聴くほどに世界観の深みが増してます。

…それにしても、“Evil Line”は最高だ。個人的に今年度の「心のベスト10」には間違いなく入る。緩めのBPMに乗っかるディーパーズ必殺の高速ハードコアギター。そのギリギリのバランスが生み出す、神輿の如くゆっくりハネるグルーヴ。そして「死んだ魚の目で溺れてく」学校生活を舞台に描かれるカタストロフ!!

スカートの翼広げたら
彼女が笑って飛びたった
僕は桃色の夢の途中
僕は桃色の恋の途中
高いフェンスを乗り越えた
パノラマの街に
トワイライト

(“Evil Line”)

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音盤雑記(邦)2000- | trackback(0) | comment(2) | 21:05 |


2007/07/04 (Wed) 『くるり/ワルツを踊れ Tanz Walzer』('07)

ワルツを踊れ Tanz Walzer ワルツを踊れ Tanz Walzer
くるり (2007/06/27)
Viictor Entertainment,Inc.(V)(M)
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くるりって、「ポップ」でありながら「歪」、っていうそこが持ち味なのだと思うけど、個人的にはその「歪」の部分はあんまり好きではなかった。

ヒネリがないけど、“ばらの花”とか“ワールズエンド・スーパーノヴァ”とか“ハイウェイ”とか“赤い電車”とか、くるりの中でもポップに振り切れた作品が抜きん出て好きだったし、そういう意味ではくるりの本当の良さはわかっていなかったとも言える。
だから、THE WHOを始めとする60年代UKロックからの影響をモロに出して、ポップ側に振れた前作『NIKKI』はとても好きだった(…でも聴いてく内に何処か物足りなさを感じたのも事実なんだけど…)。

そして、クラシックの影響を受けたと言われる今作。ライナーノーツで山崎洋一郎がロック評論的に「メロディ」という観点からそれについて言っているけど、僕は単純に、岸田繁の「音楽理論」を重視する部分が、その最たるクラシック音楽に向かわせたように感じた。
例えば、その昔、岸田氏がロッキングオン・ジャパンで「音楽評論家はメジャーコード、マイナーコードくらいは最低限わかっているべきだ。感覚的な物言いだけではプロじゃない。」といった話をしていたのがとても印象的だったけど、そういった音楽理論志向の辿り着いた場所が今作のように思う。(矢野顕子さんに信頼されるのも、きっと岸田氏のそういった志向に対する信頼の部分が大きいのではないかしらん。)
クラシック音楽の譜面の様に、秩序の中に広がる美しさ、そういう音楽を作りたかったのではないかと思う。

でも、思うにくるりの持ち味とされる「歪さ」って、音楽理論じゃ割切れない、理屈を越えた、言ってみれば「業」の様な部分から生まれていた様に思われる。だからこそ、くるりの作品って、理屈を主とする「ポップ」と、非理屈を主とする「歪」とが混ざりきらず、何となく引き裂かれている様な印象をもたらしていたのではなかろうか。
でも、この『ワルツを踊れ』という作品は、クラシック音楽の手を借りることで、その「歪さ」を音楽理論的に初めて表現できた作品であるように思う。
それ故、「ポップ」と「歪」とが全くぶつかっておらず、完全に一つになっている。違う属性のものが一つになることで、独特のサイケデリック感覚も生まれている。変拍子もプログレ的な展開も奇妙なメロディも、それら全ての歪さがとても美しい。間違いなくくるりの最高傑作だと思います。

音盤雑記(邦)2000- | trackback(0) | comment(0) | 21:04 |


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